本記事は仮想通貨simple-token(シンプルトークン)について解説していきます。
「トークンの発行を簡単にする」ことをビジョンに掲げて開発されている、仮想通貨シンプルトークン。
simple-token(シンプルトークン)のプラットフォームを利用すれば、ブロックチェーンの専門知識のない企業や団体が、簡単に新規トークンを発行できるといいます。
更に発行された新規トークンは、simple-token(シンプルトークン)を仲介することで売買も可能になります。
世界最大級の仮想通貨取引所、Binanceにも上場されたシンプルトークンについて解説していきます。
忙しい人向け!simple-tokenとは?
- ブランドトークンが簡単に発行できる
- ERC20をベースにした「トークン」
- トークンエコノミーという経済との関係
- 開発の進捗に不安を感じる
目次
simple-tokenとは
名称 | simple-token/シンプルトークン |
通貨単位 | OST |
発行日 | 2017年12月 |
発行上限数 | 8億枚 |
トークン種類 | ERC20トークン |
時価総額 | 約41億円 |
ランキング | 278位 |
(2018年5月現在)
simple-tokenのプロトコルは、新規トークンを簡単に発行できるプラットフォームです。
トークンの発行を容易にし、社会全体へブロックチェーンの普及を広めることを、中長期のビジョンに掲げています。
ポイントカードの代わりや、オンラインゲームの景品、ブランドコインの発行など、利用の用途は多数あり、開発の進捗とプラットフォームの利用開始が待ち望まれます。
2017年12月にICOによるトークンセールを行い、2018年1月に公開されました。ICOでは24億円分のトークンを上場に先駆けて販売し、目標額の189%の資金調達に成功しています。
話題性は十分な仮想通貨simple-tokenの特徴、チャート価格などから将来性を予想していきます。
simple-tokenの特徴
simple-tokenはこんな特徴を備えた仮想通貨です。
- 簡単に新規トークンが発行できるプラットフォーム
- イーサリアムで構成されたERC20トークン
- simple-tokenのライバル仮想通貨
- ブラントトークンとは
- トークンエコノミーとは
それぞれの特徴を説明していきます
簡単に新規トークンが発行できるプラットフォーム
仮想通貨simple-tokenで、新規トークンを発行するプロトコルをOpenSTと呼んでいます。OpenSTはイーサリアムをベースにしたトークンが簡単に発行できます。
「簡単に」とは、専門の知識やプログラム言語の理解がなくてもトークンの開発ができるという事です。
多くの企業や団体、商品の営業マンやマーケッターは、商品の販売や開発能力はあっても、仮想通貨やブロックチェーン、専門的なプログラミング言語を操る能力はありません。
イメージがあっても、それをブロックチェーンを使用した「形」にすることができないのです。
シンプルチェーンを使うと、仮想通貨やブロックチェーンとは関係の薄い、別分野の専門家が、簡単にトークンを利用し、新たな分野でのトークン利用が促進されるといいます。
トークンと仮想通貨の違い
トークンと仮想通貨の違いを簡単に説明します。実は、トークンと仮想通貨は、正確な意味で定義の違いはなく、便宜上分けているだけです。
仮想通貨は、オリジナルのブロックチェーンを持つもの。
トークンはすでにあるブロックチェーンを利用して、新しいコインを発行したものになります。
ビットコインや、イーサリアム、リップルは、それぞれに独自で開発したブロックチェーンをもっていますので仮想通貨。代表的なトークンには、zaifトークン、COMSA、バイナンスコイン、などがあります。
▼トークンとは?
イーサリアムで構成されたERC20トークン
simple-token自体もイーサリアムのブロックチェーンを利用したトークンになります。
イーサリアムを利用して構築されたトークンをERC20トークンと呼びます。
イーサリアムの重要な機能の一つに「ERC20」があります。イーサリアムのブロックチェーンをオープンソースとして開放し、仮想通貨としてのETHを基軸とした、新トークンを発行することができる技術です。
ERC20は新しいトークンを発行するためのプラットフォームプロトコルです。
simple-tokenとの関係性は、イーサリアムを基盤としてsimple-tokenを発行し、更にsimple-tokenを基盤としたトークンを生みだす、という3代にわたる関係です。
イーサリアムが親とすると、simple-tokenは子供、更にそこから誕生したトークンは孫に当たります。
このような複雑な関係が生まれる要因は、専門性の高すぎるプログラムの影響が大きいです。
ERC20は、ブロックチェーンを開発する必要がない「オープンソース」として、非常に大きな期待を集めめています。
しかし、想像したようには社会には浸透していません。ネックになっているのが、「solidify」というマークアップ言語と専門性の高いプログラム、それらを操る技術者不足です。
ブロックチェーンの開発が不要だと、開発コスト、開発時間が大きく短縮され、小さな資本での「仮想通貨の開発、利用」が促進されると期待されましたが、実際には専門性の高いプログラムを操る必要があり、更なる改善が必要だったのです。
この「高度な専門性」という問題を解決するために生まれたのがsimple-tokenなのです。
▼ERC20トークンとは?
simple-tokenのライバル仮想通貨
ERC20のトークンは、simple-tokenを仲介することで、劇的に簡単に構築できるようになります。小さな資本での需要が拡大し、爆発的に伸びる市場かもしれません。
しかし、simple-tokenの未来が限りなく明るいのかというとそうでもありません。現在トークン発行プラットフォームは多数のライバルがひしめきあっている状態です。
イーサリアム(Ethereum)、ネクスト(Nxt)、カウンターパーティー(CounterParty)、ネオ(Neo)ウェーブス(Waves)
これらの仮想通貨に「新規トークン発行プロトコル」が備わっています。
simple-tokenの将来性は、いかにして独自性を発揮しライバルに打ち勝つのかが問われています。
ブランドトークンとは
simple-tokenには重要な概念としてブランドトークンを掲げています。
ブランドトークンは、企業や団体ごとに発行する、オリジナルトークンでStripeやPayPalなどのオンライン決済と連携することで、クレジットカードの利便性をそのまま引き継ぐ新決済方式です。
トークンエコノミーとは
誰でも簡単にトークンが発行できるようになると、トークンエコノミーという新しい社会コミュニティーが誕生するといいます。
企業はオリジナルのトークンを発行し、商品の決済やインセンティブに使用します。トークン同士は自由に交換でき、売却してお金にすることも可能です。
トークンエコノミーは、IOT(モノのインターネット化)との親和性が非常に高く、IOTとトークンエコノミー、分散型トークン決済はセットになって発展すると予測されます。
IOTはあらゆる物のインターネット化です。
あらゆるものをインターネットに接続し、利便性を高めるとともに、世界中で国境を超えた自由な形での決済を行います。
自由な決済には、既存の銀行システムやクレジットカードは対応できません。そこで分散型管理のトークンが決め手になると考えられています。
例えば、自動車がIOT化しトークンと連動すると、交差点で進路を譲るとお礼にトークンを支払うとか、高速道路での支払いが距離だけではなく、スピードによって課金されるということが起こるかもしれません。車の走行距離がブロックチェーンに記録され、保険代金が距離によって支払われる可能性があります。
健康維持のために歩いた距離によってトークンが支払われたり、冷蔵庫を開けた回数によって課金されたり、コーヒーメーカーは無料になって、使用した回数ごとにトークンが支払われる。電気代は昼夜の値段が違うだけではなく、ピーク時に電気代をカットした分だけインセンティブが支払われる、なんて未来も考えられます。
また、地方経済を活性化するために、地方自治体が運営母体となる「地方コイン」という考えもあります。
地方コインは、国が通貨発行権を持つように、地域にも通貨発行権の一種になり得る、地方コインという自主財源を手にする考え方です。
スマートフォンや電気機器がIOT化し、仮想通貨やトークンが加わることで、全く新しい経済圏が生まれます。
この新しい経済圏を「トークンエコノミー」と呼び、simple-tokenは大きな役割を果たすことができると期待が寄せられているのです。
▼トークンエコノミーとは?
simple-tokenの過去のチャート推移・時価総額

引用:https://coinmarketcap.com/currencies/ost/#charts
simple-tokenの公開開始から2018年5月までのチャート価格です。
チャート価格からは、公開直後に下落、すぐに大きく反発をしています。
公開直後のチャート価格の値下げは、IOCによる販売価格が0.08ドルだったので、上場と同時の利益確定を図る売却圧力が強かったのだと思われます。
1月の短期的な価格上昇は、他の仮想通貨もほぼ同じ推移を見せており、simple-token独自の要因ではないでしょう。
2月以降の価格が、本来の実力を表したチャート価格になります。
0.4ドル付近で流通が始まり、大きな山を除けばほぼフラットに近い「低調」です。
この要因は、開発に勢いが感じられないことが、大きく響いていると思われます。
開発状況、知名度が他の仮想通貨に後れを取っている、これが投資家離れの元凶といえます。
チャート価格情報
開始価格 1OST:約0.4ドル(2017年12月)
最高値 1OST:約1.0ドル (2018年1月)
最安値 1OST:約0.12ドル(2018年3月)
倍率 :約9倍
2018年5月初頭
時価総額 :約64億円
ランキング:200位付近
直近価格 1OST:約0.18ドル(2018年5月)
simple-tokenの開発状況と将来性
simple-tokenの特徴から将来性を分析します。
simple-tokenの将来性
トークン発行機能を備えたプラットフォームは必ず大きく躍進すると予想されます。
しかし、それがsimple-tokenになるかどうかは分かりません。他にも優秀なプラットフォームが多数存在しているからです。
simple-tokenの開発状況は、ベータ版やパイロット版のリリースまで開発が進んでいません。
知名度や開発の進捗で他の仮想通貨に大きく溝を開けられている感があります。
また、チャート価格もICO価格付近までチャート価格が下がる状態にあります。
ICOは0.08ドルで販売されました。公開からの平均は約0.3ドルで、ROI(投資に対する利益率)は275%と高いのですが、短期的な値上がりがあり、本来の実力とはいいにくい状況です。
プラットフォームは単体では存在意義がなく、利用されて初めて価値が出ます。シンプルトークンの開発が進み、早く全容がお披露目されることを望むばかりです。
simple-tokenの開発状況
2016年:simple-token発足
2017年
6月:デザインのプロトタイプと白書1.0を発表
7月:プロジェクトスコープの発表
10月:コア創業チーム結成
11月:ICOにてトークン販売
2018年
広範囲に利用促進
現在(2018年5月)はメインのトークン作成機能はまだオープンしておらず、その代わりに自分の情報を登録し、正式リリースしたら公式から連絡が来るように設定しておけます。
simple-tokenを購入できる取引所
simple-tokenは日本の国内取引所では取り扱いがありません。
海外の取引所を使用しなくてはなりません。
simple-tokenを取り扱っている主な取引所はこちら
- Binance
- OKEx
- Huobi
海外の取引所で購入するにしても、まずは国内の取引所でビットコインを購入した後に、送金する必要があるため、国内の取引所の登録は必須です!
まだ、国内取引所の登録が済んでいない方は、以下より簡単に開設が可能です。
「はじめてのビットコイン」では、「GMOコイン」をおすすめしています。
まとめ
simple-tokenはこんな特徴や将来性を持った仮想通貨でした。
- ブランドトークンが簡単に発行できる
- ERC20をベースにした「トークン」
- トークンエコノミーという経済との関係
- 開発の進捗に不安を感じる
simple-tokenは、「新規トークンを簡単に発行できるプロトコル」が大きく期待をされ、ICOによる資金調達を成功させました。
しかしデモサイト、ベータ版サイトの早い段階での公開が期待されていましたが、2018年5月に入っても公開はされていません。
開発は進んでいますので、今後に期待を寄せるしかありませんが、現状は投資家離れが進んでいます。
プラットフォームタイプの仮想通貨は、プラットフォーマーとしての充実度が直接にチャート価格に影響を及ぼす傾向が強いです。
開発が進めば、現在の遅れをカバーする十分なチャンスはあると感じます。
現在価格は非常に抑えられていますので「お試し買い」で眠らせておくと2019年辺りで爆発を期待できるかもしれません。
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