プラズマ(Plasma)とは?イーサリアムの問題を解決する技術を解説

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プラズマ(Plasma)とは?

プラズマ(Plasma)とは、一言で表すと…

イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する為のサイドチェーン技術

プラズマ(Plasma)とは階層ツリーを基としたサイドチェーン技術であり、サイドチェーンを使用して高速なトランザクション処理をする事で、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するソリューション技術です。

このプラズマは2017年の8月にイーサリアム創設者であるVitalik氏とライトニングネットワークの共同開発者であるJoseph Poon氏によって発表された技術です。

これをイーサリアムに実装する事で1秒間あたりのトランザクションの処理量を大幅に増やし、イーサリアムで懸念されていたスケーラビリティ問題を解決することができます。

では、以下よりプラズマについて解説していきます。

イーサリアムのスケーラビリティ問題

イーサリアムは多くのICOトークンやDappsなどで多く利用されていますが、取引が増加すると同時にその取引ボリュームも膨らみを増し続け、チェーン内で記録できるトランザクションの容量を超えると交通渋滞のようにトランザクションが滞ってしまいます。

これがイーサリアムの「スケーラビリティ問題」と呼ばれており、今後のイーサリアムの発展においての課題点なのです。

イーサリアムのトランザクション数

下記図を見ると、イーサリアムのトランザクションボリュームは右肩上がりに膨れ上がっていることが分かります。

参考サイト:Etherscan

2017年の7月〜8月以降、トランザクション数は爆発的に増加し続け、1月をピークに少し数は減りましたが、昨年対比で見るとそのボリュームは依然膨大な量となっているのです。

なぜトランザクションが増えるのか

このようにトランザクションが増えてきた原因としては、イーサリアムアドレスの増加や上述した通り、イーサリアムベースのICOトークンやDappsなどの増加などでしょう。

まずアドレスの数ですが、下記図の通り2018年5月現在でその数は3,400万を超えており、今年2018年に入ってからはおよそ2倍近くアドレスの数が増えています。

参考サイト:Etherscan

なお、ICOトークンに関しては、今までに発行されてきたトークンの大半がイーサリアムのERC20に準拠しており、下記図のように上位トークンのほとんどで「イーサリアム」が用いられています。

参考サイト:CoinMarketCap

イーサリアムの普及と共に更にトランザクションの拡大は今後も予想されますが、そのような問題を解決する為にVitalik氏とJoseph氏によって提案されたのがPlasmaなのです。

プラズマ(Plasma)の仕組み

スケーラビリティ問題を解決するプラズマは、1秒間に数10億回のスマートコントラクトを実行し、上述したイーサリアムのトランザクションの問題を解決する為のフレームワークです。

では、その具体的な構造を見てましょう。

プラズマブロックチェーン

まず、プラズマではメインであるイーサリアムブロックチェーンを「親チェーン」として、その下に階層的に子チェーンを張り巡らせるTree構造となっています。

そしてこの子チェーンの事を「プラズマブロックチェーン」と呼んでいます。

既存のイーサリアムにおけるトランザクション処理は全てを親チェーンであるメインチェーンで行っていましたが、階層的に連なる子チェーンの「プラズマブロックチェーン」がトランザクション処理をしてデータを書き込みます。

このように、トランザクション処理をメインチェーンではなくサイドチェーンであるプラズマブロックチェーンによって処理することで、イーサリアムのメインチェーンから不要なデータ処理を取り除き、トランザクションを高速化することが可能となるのです。

なお、そのプラズマブロックチェーンの処理記録がイーサリアムのメインチェーンの方へと伝達されていき、プラズマチェーンの最終的なステートがメインチェーンへとコミットされるのです。

Map Reduce

プラズマではMap Reduce形式の計算方法を用いて階層ツリーを構築し、これによって何千にも及ぶノードを対象としたフレームワークを実行する事が可能となります。

MapReduceとは、大規模なデータを分散処理する為のプログラミングモデルですが、これをプラズマで用いる事でデータの処理を「Map」と「Reduce」の2段階に分けて行います。

まず1段階目のMapでは、下記図のように親のプラズマチェーンから子のプラズマチェーンへと計算処理が流れていきます。

そして2段階目のReduceでは、Mapとは反対に子のプラズマチェーンが抽出したデータを束ねて処理結果を親プラズマチェーンへと送ります。

このように、イーサリアムの大規模なデータ処理をMapReduceを使って並列的に各チェーンで計算する事によって、トランザクション処理を一層速める事ができるのです。

プラズマ(Plasma)のメリット

このようなプラズマを用いることによるメリットは、主に以下の3点です。

  • メインチェーンへ保存するデータを削減
  • スマートコントラクトの実行速度の向上
  • トランザクション手数料の削減

メインチェーンへ保存するデータを削減

プラズマではツリー状にチェーンを張り巡らせるので、メインチェーンへ保存する不必要なデータを取り除きます。

これがスケーラビリティ問題を解決する大きなメリットとなります。

スマートコントラクトの実行速度の向上

プラズマでは、上述した通り1秒間に数10億回のスマートコントラクトを自律的に強制実行するので、その実行速度を向上する事ができます。

それによってトランザクションの増加と共に指数関数的に詰まっていた実行処理もスムーズに流通するようになります。

トランザクション手数料の削減

なお、プラズマによってトランザクションの詰まりを解消することで、今まで問題になっていた手数料の高騰を防ぐことができます。

これによって今後トランザクションの遅延によって、「承認を早く得る為に莫大な手数料を支払わなければならない」といったような問題を解決します。

プラズマ(Plasma)の問題点

一方プラズマには問題点もあります。

プラズマではダブルスペンド(二重送金)や不正ブロックの生成が起こらないようにする為に、ユーザーはメインチェーンに連なっている各プラズマチェーンのデータを全てダウンロードする必要があります。

しかし、これは都度ダウンロードする必要があるとすれば利用側にとってみると大きな不便を感じてしまう事となり、それは子チェーンが拡大していくほど膨大となってしまいます。

そこで、プラズマの問題解決の為に提案されたのが「Plasma Cash」です。

Plasma Cashとは?

Plasma Cashとは2018年3月にVitalik氏が発表した、上述したプラズマの問題を解決する為の技術です。

イーサリアム創業者のヴィタリック(Vitalik)氏が先日パリで行われたEthCCにサプライズ登場し、「Plasma Cash」を発表しました。

このPlasma Cashはデータを全てダウンロードする必要がなく、そのダウンロードのデータ容量を大幅に削減します。

全てをダウンロードする代わりにプラズマチェーンにデポジットを送る事で、追跡機能の付いた「Plasma coin」を生成する事ができます。

そしてユーザーはそれを使って簡単に不正が無いかを検証する事ができるのです。

なおPlasma Cashでは、プラズマの契約を通じて取引所がハッキングされてもユーザーの資産が損失しないような保証システムが設計されています。

まとめ

プラズマは、

  • イーサリアムのブロックチェーンに保存するデータを削減できる。
  • スマートコントラクトの実行速度を向上させる事ができる。

以上がプラズマについてでしたが、プラズマのメインチェーンの外で処理を行うという構想はライデンネットワークに近いものがあり、今後共存していく技術となるでしょう。

イーサリアムはDappsのプラットフォームとして機能しますが、単にペイメントだけではなくスマートコントラクトを用いたユーティリティな機能が大きくあります。

なので、ペイメントのみならずスマートコントラクトの実行速度を高める必要があるのです。

今後のイーサリアムの発展を考えるとユーザーアドレスやトランザクションは今以上に増えていくでしょう。

よって、Dapps市場の発展と実用化の為にはこのようなソリューション技術が極めて重要なのではないでしょうか。


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