Casper(キャスパー)とは?イーサリアムのPoS移行についてを解説

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この記事ではCasper(キャスパー)について解説しています。

CasperとはイーサリアムがPoWからPoSへ移行する際に実装されるアルゴリズムであり、イーサリアムのアップデートにおける最終段階のセレニティで実装予定となっています。

Casper(キャスパー)とは?

Casper(キャスパー)とは、一言で表すと…
イーサリアムがPoWからPoSへシステムへとアルゴリズムを変更する為の移行計画

Casper(キャスパー)とは、イーサリアムがPoWからPoSへ移行する際に新しく実装される独自のアルゴリズムであり、それはイーサリアムのアップデートにおける最終段階の「セレニティ」で実装予定となっています。

現在イーサリアムの合意形成アルゴリズムはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)ですが、このCasperによって最終的には完全なるPoS(プルーフ・オブ・ステーク)アルゴリズムへの移行を目指しています。

では、以下よりCasperについて具体的に解説していきます。

イーサリアムのPoWからPoSへの移行

現状PoWアルゴリズムを採用しているイーサリアムでは多くのマイナーが参加するようになっており、マイナーが増加している事によってそのハッシュレートや採掘難易度は指数関数的に上昇を続けています。

《イーサリアムのハッシュレート》

参考:Etherscan

なお、このようにハッシュレートが増加する事によって同時に莫大な電力が世界的に消費されてしまっているのです。
イーサリアム創設者であるヴィタリック氏は、この電力消費による環境問題を懸念していました。

なお、このPoWマイニングではイーサリアムの場合、1秒間に15〜20回程度のトランザクション数しか捌く事が出来ず、将来的にイーサリアムが「ワールドコンピューター」を担う為にはスケールが不十分であると言えます。

《イーサリアムのトランザクション数》

参考:Etherscan

このように、現状PoWアルゴリズムでは多くの問題点があり、これをPoSへ移行する事で更に処理速度を向上させる必要があるのです。

イーサリアムでPoSを導入するメリット

さて、PoWではハッシュパワーを多く持っているマイナーがブロックが承認されやすい仕組みなのですが、PoSではステーク(掛け金/Ether)を多く保有する程ブロックが承認されやすい仕組みとなっています。

ビットコインなどの仮想通貨を調べていて、よく出てくるProof of Work(プルーフオブワーク)という言葉、聞いたことはあるけど、詳しくはわからない。そんな

Casperの実装に伴って、上述したようなPoWの問題解決の為のPoS移行を計画しているイーサリアムですが、ここでPoS移行のメリットについて考えて見ましょう。

スケーラビリティ問題の解決

PoSの場合通貨を多く保有するバリデータがブロックを承認しやすくなるので、PoWのように計算を行う必要が無く新規ブロックの生成時間を短縮する事が可能となるので、それによってスケーラビリティ問題の解決に繋げる事が出来ます。

51%攻撃を防ぐ

PoWでは悪意のあるマイナーによる51%攻撃による懸念がありました。
強力なマイニングプールがハッシュパワーを握り、それが市場の50%を超えると二重支払いが可能となってしまうのです。

しかし、PoSアルゴリズムで51%攻撃を仕掛ける為には大量の通貨を保有する必要があり、もしそれで攻撃すれば自身の保有通貨の価値も下がってしまうのです。

消費電力のコストを削減

上述した通りPoWでは莫大な電力消費が懸念されていましたが、PoSはPoWのような莫大な計算を行わないので、圧倒的に少ないコストでブロックの生成を行う事が可能となります。

Casper FFG(Friendly Finality Gadget)とは?

イーサリアムの開発陣は2018年4月にイーサリアムの改善案である「EIP1011」を発表しましたが、それはイーサリアムにてハイブリッドな合意形成アルゴリズムを開発するというものでした。
その提案が「Casper FFG(Friendly Finality Gadget)」であり、これによってまずPoWとPoSが組み合わさるハイブリッド型へと変更となります。

ASICへの懸念

まずイーサリアムのPoWマイニングで採用されているアルゴリズムはASICでのマイニングを防ぐ「Ethash」と呼ばれるものなのですが、大手マイニング企業である「BITMAIN」はとうとうイーサリアムに対応するASICを開発しました。

これによって、ASICを用いたマイナーがイーサリアムのPoWマイニングを独占してしまうという懸念があり、開発陣はASICに対抗する為のハードフォークを検討したのですが、議論の結果PoWとPoSを組み合わせるという「Casper FFG」を打ち出したのです。

PoWとPoSのハイブリット型

このハイブリッド型アルゴリズムによって、イーサリアム内のブロックの承認作業におけるPoWの比重を下げる事ができ、ASICを使ったマイニングプールの中央集権化や、51%攻撃などのリスクを防ぎます。

そしてPoWとPoSのハイブリッド型にする事で、PoWマイニングを行う「マイナー」とPoSで検証を行う「バリデータ」の双方にマイニング報酬が支払われるようになる為、PoWにおけるブロック報酬は1ブロックあたり3ETHから0.6ETHへと減少します。

Casper CBC(Correct By Construction)

そして、Casper FFGに続いて実装される予定となっているのがCasper CBC(Correct By Construction)です。

このCasper CBCはイーサリアムの創設者の一人であるVlad Zamfir氏によって考案されたものであり、PoSの安全性を高めて100%PoS採用する為のプロトコルです。

詳細は本記事では割愛しますが、これによって最終的にはPoSへの移行が100%完了する予定です。

Casper(キャスパー)による新たなインセンティブ設計

Casperではバリデータの報酬システムを変更し、更に不正すると保有ETHを失うというペナルティシステムが設けられます。

このアルゴリズムではETHの保有量が多い程PoS報酬が減少する仕組みとなっており、250万ETHで10%、1,000万ETHで5%、2,000万ETHで3.52%となります。

そして、ネットワークから頻繁に不在となったり、過失的な行為を取ったバリデータは最大で全額に及ぶ罰金が課される事になります。

いつCasperは稼働するのか?

上記のようにEthereumのネットワークを効率化するCasperのアルゴリズムはいつ稼働するのでしょうか?実はCasperはすでに開発が進んでおりテスト段階です。

https://github.com/ethereum/casper/releases

でCasperのv0.2.0がすでにリリースされています。

また、メインネットでの本格稼働は年内であるとヴィタリックが国際会議で発言したとの事実もあり、今後のEthereumの発展に期待しましょう。

まとめ

本記事を要約すると以下の通りです。

  • Casper(キャスパー)とはイーサリアムがPoWからPoSへ移行する際に実装されるアルゴリズム
  • PoWではスケーラビリティ問題や莫大な消費電力の懸念がある
  • 今後イーサリアムはCasper FFGでPoW/PoSのハイブリッド型アルゴリズムとなり、Casper CBCで安全性の高い完全なるPoSへの移行となる

以上がCasperについてでしたが、上述した通り今後イーサリアムはPoWとPoSのハイブリッド型から完全なるPoSアルゴリズムへ移行される予定となっています。

PoSへの移行はイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する技術「シャーディング」を実装しやすくなる事にも繋がるので、このCasperはイーサリアムにとってスケーラビリティ問題の解決や、PoWで問題となっていた電力消費、セキュリティ性の問題解決に繋がる非常に重要な技術だと言えるでしょう。


イーサリアム 用語解説