ICOはセキュリティトークンとなるのか

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最近では「仮想通貨は有価証券か」という議論が活発になっています。

その中でも、ICOは厳しい監視の目を向けられ、規制は誰がどのように行うかが大きな注目の的になっています。

これまでのICO

【ICOとは】

ICO(Initial Coin Offering)とは、資金調達を目的とし

新しくコインを発行し一般の取引所に上場される前に売り出すこと

ICOは新たな資金調達・資産運用の手段として、或いは投資家はそのコインのプラットフォームに早くアクセスできるようなメリットがあり、それが理想のICOということになります。

2014年に始まったICOはこれまでに約140億円もの投資を集めています。ICO件数は2017年から急速に増加し、2018年ではまだ上半期ながら既に約300種ものICOが行われています。

しかし、投資家にとってICOは良くてただの慈善事業にとどまり、最悪あからさまな詐欺に遭ってしまっているというのが実情です。

ロードマップ通りに計画を進めているICOはほんの一握りです。

実際にICOを行ったものの開発が止まっていたり、インサイダーまがいの上場を行ったりすることはよくあることなのです。

最近ではさらに無責任なICOが増えてきており、仮想通貨市場に存在するにわか達も巻き込んでいけるように「必ず利益が出ます!」などの広告を上手く織り交ぜながら煽っています。

ウォールストリートジャーナルによると、現在までに271件もの詐欺まがいのICOが見つかっているとのことです。

そのため、新たな資金調達やテクノロジーの未来を公正に実現するという重要な意味合いを持って、証券取引委員会が世界的にICO規制に関して介入しようとしているわけです。

とりわけ米国の証券取引委員会(SEC)は長らくICOに対する監視の目を強化しており、また、ここ数か月間はICOに関して厳しく介入してきました。その中で、SECはこれまでに行われた多くのICOが詐欺であることを明らかにしています。

また、過去にSECはThe DAOを「有価証券」であるとの見解を示しています。

「The DAO」は有価証券

The DAOのトークンがHowey Test(特定の取引が投資契約に該当するかを判断するために最高裁が作成したテスト)をクリアした一般的な証券としての必要条件を満たしているとSECは判断しました。

The DAOは投資したプロジェクトから利益の一部を得る権限をトークンホルダーに与えるようなエンティティを生成することができ、その事実がある種の営利事業体として機能するという価値を認められたということです。

しかし、この判断にも疑問点があります。証券法の第二章第一項と、証券取引法の第三章第十項には明確に「投資契約」と記されており、投資契約とは、企業や他の起業家などの経営努力から利益が期待できるとして共同事業に資金投資を行うことで成立するものと定められています。The DAOのICOにはこの「投資契約」が欠けているのではないかということです。

ICOではありませんが、SECが出した結果の一つとして、6月中旬に「ビットコインやイーサリアムはセキュリティ(有価証券)ではない」ということが正式に発表されたことがあります。これにより、SECがこの二つの仮想通貨を「有価証券」として規制をかけることは無くなりました。

6月14日、アメリカの米国証券取引委員会(SEC)のコーポレートファイナンス部門の部門長William Hinman氏は「イーサリアムとビットコインは有価証券で

また、一方でこの事実はリップルが有価証券であるかという議論に拍車をかけました。

24日にはリップル社のCEOが番組内で「XRPが有価証券でない理由」に関して言及し、米国最大手取引所のコインベースに対して上場を公式に依頼するにまで至りました。
[※コインベースは有価証券でないと公式に認定された仮想通貨のみを扱います。]

2018年6月24日、米CBInsightsの放送でリップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏はコインベースに対してリップル(XRP)を上場させるべ

ICOがセキュリティトークンになったら

もしSEC監視の下でICOが行われるのであれば、現在詐欺が横行しているICOは比較的安全なものになるでしょう。

しかし、「有価証券」と認められることになれば、仮想通貨を会社の発行するものと見なし、企業の経営とブロックチェーンは切り離すことができなくなります。

したがって、仮想通貨ホルダーは自ずと会社経営の議決権を求めることなりますので、株式と同じ効用を持つ電子有価証券という立場になります。

その分、上場に関する審査や手順等が明確に公表されることにはなると考えられます。

なぜ「セキュリティ」と認められることを嫌がるのか

仮想通貨が「セキュリティ(有価証券)」と認められてしまった場合、証券取引委員会の認可を受けた取引所でしか扱われなくなります。

現状、米国証券取引委員会(SEC)は正式に認可している仮想通貨取引所は一つも存在しません。すなわち、セキュリティトークンと認められた仮想通貨は仮想通貨取引所では扱われなくなってしまいます。

また、証券取引委員会の監視は厳格であり、不正行為を厳しく取り締まる一方で対象通貨が今後自由に開発・取引できないよう制限される可能性もあるのです。

したがって、仮に「有価証券」と認められてしまった場合には、取引量は格段に落ち、市場価値も大きく下落してしまうと予想されています。

【ICO:米国のベンチャー投資家視点】

米国のベンチャー投資家たちは常日頃から優良なユニコーン企業からピッチを受けているわけではなく、ましてや伝統的な有価証券への投資となれば、所得が約2200万円以上もしくは純資産が約1億円を超える投資家に限られてしまいます。(参照:SEC文書

したがって、より多くの人に直接アクセスし、多くの資金を調達するためにも、仮想通貨発行によるICOが便利だということです。

まとめ

SEC議長のヒンマン氏は今後の仮想通貨は「分散型」か否かが大きなポイントになると言及しています。

実際にも、ビットコインやイーサリアムの分散型ネットワーク機能を認めており、そこに公共性を見出しているので「有価証券ではない」と認められました。

しかし、リップル社のように会社が半分以上のXRPを握っていて、会社の経営とブロックチェーンが切り離せないとみられた場合には有価証券のラベルが貼られるかもしれませんね。

そして、ICOにおいてシステムや経営の因果関係、ブロックチェーンの機能等を考慮してSECが決行を判断する時代がやってくるかもしれません。

SECの今後の動向にも注目です。


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