2018年1月のコインチェックNEM流出事件以降、仮想通貨NEMは注目を浴びていますが、今回はNEMの将来性に的を絞ってまとめていきます。
NEMは将来性のある仮想通貨なのか?
今回はその問いに対してそれぞれ
- 技術面から見たNEM
- 実現性から見たNEM
- 投資的価値からみたNEM
この3つの視点からNEMの可能性について考察し、最終的にNEMの将来性について結論を出していきたいと思います。
目次
おさらい:NEMとは
NEM(XEM)は2015年3月に誕生した仮想通貨
NEMという名称は「New Economy Movement」というプロジェクトの頭文字をとっており、仮想通貨による平等で分散型の経済圏を作ることを目標としています。
▼NEMとは?
▼NEMの購入方法
https://www.newscrypto.jp/articles/7326
1.技術面から見たNEM
ビットコインとビットコイン2.0
NEMは「ビットコイン2.0」と呼ばれる、ビットコインの技術を利用して様々な分野へ応用を測ったプロジェクトのひとつ。
「ビットコイン2.0」のその他の代表的なプロジェクトにイーサリアムも挙げられます。
そのような背景から、ビットコインの弱点を克服した速い送金スピード・安い手数料・高いセキュリティーを兼ね備えた仮想通貨であると言えます。
PoIという分散合意アルゴリズム
システムを統括する母体のない「仮想通貨」は分散合意アルゴリズムを使って、取引検証作業をする人たちに報酬を与えています。ビットコインのPoWが代表的で、その報酬制度は「マイニング」と呼ばれます。
分散合意アルゴリズムにおいて、ビットコインではPoW(プルーフ・オブ・ワーク)、イーサリアムではPoS(プルーフ・オブ・ステーク)、そしてNEMではPoI(プルーフ・オブ・インポータンス)を採用しています。
PoWは演算処理能力の高い者に、PoSは保有量の多い者に、そしてNEMのPoIは保有量や取引量、取引額全体を考慮して報酬を与えるシステム。その報酬制度は「ハーベスティング」と呼ばれます。
ただ保有しているだけではハーベストされる報酬は少ないため、そのアルゴリズムがNEMの取引をより活発なものにしているとも言えます。取引の活発化はNEMの使用場所や使用機会を増やしたりと、コミュニティーの形成をも促すコインだと言えます。
2.実用性から見たNEM
実用化が待たれるアポスティーユ
ビットコインでは取引履歴しか残せませんが、
ブロックチェーン上で契約や証明書などの文書の発行などができるシステムが「アポスティーユ」と呼ばれるもの。
イーサリアムの「スマートコントラクト」と類似しているが
政府や企業など大規模の利用を前提とするスマートコントラクトに対し、NEMはさらに個人などの小規模で使えるもの。また、不正や改ざんが難しい分散型台帳システムの性質上、発行時の日付などは正確に記録として残り信頼性の高い仕組みが築けます。NEMのアポスティーユを利用したアプリやサービスの普及が待たれています。
NEM実現の第一歩「mijin」
mijinとはテックビューロ株式会社オリジナルのブロックチェーンですが、この開発はNEMの開発チームが誘致されて行われました。
このブロックチェーン技術は、金融機関から個人のデベロッパーまで幅広いニーズに応えられるシステムとして開発され、利用用途は送金サービスや決済などの金融サービスから、取引システム、社内システム、IoTなどさまざまな分野で応用され実証実験がされています。
NEMの関わったプロジェクトが実用化する、その第一歩として期待されます。
http://mijin.io/ja/
COMSA
mijinと併せてテックビューロ株式会社が提供しているのがICOソリューションの「COMSA」です。
ブロックチェーン技術の導入からICOの資金調達までのコンサルタントを行うサービスを提供しています。
企業のICOによる資金調達と、既存アセットのトークン化技術、Zaif取引所、そしてmijinプライベートブロックチェーンによる内部勘定技術をワンストップのソリューションとして提供し、実ビジネスへのブロックチェーン技術導入を一からサポートいたします。
https://comsa.io/ja/
こちらにもNEMのブロックチェーン技術が使われています。
タイムバンクがCOMSAのICOで合意しましたが、これは上場企業初のICO案件となり話題になりました。今後もCOMSAやmijinが社会的に認知されていくことでNEMの技術にも注目が集まりそうです。
NEMコミュニティーが広げるNEM実用化
NEMはコミュニティーが非常に活発なことで有名です。
例えばNEM決済の店舗やサービスなどが他の仮想通貨より一足早く実現されているのも、NEMが広く認知されていく可能性を高めています。
例を挙げると、NEM決済が可能な「nem bar(ネムバー)」やNEM決済のフリーマーケットなども開催されています。
引用:https://rhizomebrain.net/nemket2017-info/
3.投資価値から見たNEM
暴騰の期待かかる「カタパルト」の実装
NEMは、「カタパルト」と呼ばれる大幅なアップデートの実装が市場価値をさらに上げると話題になっています。
それだけ仮想通貨界隈をにぎわせるカタパルトは一体どのようなものなのでしょうか。
仮想通貨の祖であるビットコイン(BTC)は、1秒間に約14トランザクションを処理することが可能で、高速決済を謳うリップル(XRP)はビットコインの100倍を超える、約1500トランザクションを処理できます。
しかしカタパルトはさらにその倍以上である約3000のトランザクションを1秒間に処理できるとされています。
ちなみに世界一処理能力の高いクレジットカード(VISA)は、1秒間に約4000~約6000トランザクションを処理できるとされており、カタパルトはこれを間も無く追い越すと予測されています。
この期待高まるカタパルトは、もともとNEMのプロトコルを採用していた「mijin」の新バージョンであり、正式名称は「2.0 Catapult」です。現在クローズドで試験運用を行っており、2017年初頭より段階的にリリースするとの予定でしたが、延期され2018年にNEMのブロックチェーンに実装されると予想されています。
これにより技術面、実用面だけでなくNEM自体の投資価値も上がることが期待されます。
▼カタパルトとは?
コインチェックのハッキング被害
2018年1月26日、コインチェックにて5億2,300万NEM、日本円にして約580億円近くの金額が盗難されました。
しかしながら、これはNEM自体の問題ではなく、取引所のセキュリティ上の問題です。
NEMにはマルチシグ機能(複数者の承認がなければトランザクションの生成ができない)がついており、むしろセキュリティに優れた通貨であると言えます。
仮想通貨全体の問題として、取引所のセキュリティ問題や秘密鍵の管理方法と言った課題が存在することは事実ですが、NEMの問題であるとは言えないでしょう。
NEMの将来性
- PoIの採用
- アポスティーユ
- mijin
- COMSA
- コミュニティー
- カタパルト
これらの技術面、実用面、投資価値の面、それぞれの視点で見てもまだまだ期待できる仮想通貨だと言えます。
後発の仮想通貨ですが、ビットコインなどに比べさらに優れた特徴を備えて生まれました。
これからもNEMに注目してみてはいかがでしょうか。
記事公開日:アルトコイン ネム (NEM)